土屋和男





西園寺公望別荘『坐漁荘』



近代和風住宅を通した景勝地の形成に関する史的研究

近代和風住宅の成立を通して,その土地の歴史,文化との関わりや,住宅の使用法などを考察し,
それがつくられた背景となる概念を「自娯」と「斉家」という言葉で表現しました。

この論文を書くときには,特に人名や書名を検索するのに,インターネットが非常に役立ちました。
特に異分野の,たぶん作者の方はこんな目的で見られるとは思いもよらないようなページに意外な情報があったりしました。
その恩返しの意味で,ここに全文を掲載しようと思います。
(Web上では図や写真は必要最小限にとどめています。
Web上では公開していないものも文中には記述が残っていますが,詳細はメールにてお問い合わせください。)


もくじ
はじめに(目的ほか)
. 景勝地に建つ近代和風住宅
. 近代和風住宅にみる景勝地の形成
。. 景勝地形成の諸相
「. 近代和風住宅における生活と景観
結論
参考文献
あとがき



はじめに(目的 方法 既往研究 本論の構成)


. 景勝地に建つ近代和風住宅

1. 景勝地と歴史
 1.1.自然と価値観の照応
  [1]景観と風景 [2]景観の構造とその持続性 [3]構造と歴史 [4]共有される風景
 1.2.景勝地の形成と土地に対する価値観
  [1]近代の価値観 [2]古典的名所 [3]新たな価値観実現の場 [4]民家とその周辺 [5]静岡県の景観

2. 近代の別荘
 2.1.別荘の成立条件
  [1]楽しみのための住宅 [2]社会環境的要因と内発的要因
 2.2.近代和風の住宅
  [1]選択可能な様式 [2]実験性と伝統性 [3]近代和風住宅としての民家


. 近代和風住宅にみる景勝地の形成

3. 近代の静岡県における景勝地
 3.1.建築物の記録と遺構
  [1]既往調査 [2]著名な別荘:表A [3]地区景勝地の大規模な民家:表B
 3.2.土地に対する価値観の反映
  [1]土地と人 [2]代表例の抽出

4. 興津
  4.1.興津の位置付け
  [1]概要 [2]地勢と交通 [3]歴史的背景
 4.2.井上邸
  1]建築主 [2]建設時期 [3]立地 [4]建物 [5]造園等 [6]井上邸の特徴
 4.3.阿部邸
  [1]建築主と建設時期 [2]立地 [3]建物 [4]阿部邸の特徴
 4.4.川崎邸
  [1]建築主と建設時期 [2]立地と建物の設計者,山田醇
 4.5.大倉邸
  [1]建築主と建設時期 [2]立地と建物
 4.6.伊藤邸:独楽荘
  [1]建築主と建設時期 [2]立地と建物
  4.7.西園寺邸:坐漁荘
  [1]建築主 [2]建設時期 [3]立地 [4]建物 [5]造園 [6]西園寺邸の特徴
 4.8.山田醇設計の2つの住宅
  [1]住宅作家,山田醇
 1) W氏邸 [2]建築主と建設時期 [3]図面 [4]立地と配置 [5]建物
 2) A氏邸(旧五島邸) [6]建築主と建設時期 [7]立地と配置 [8]建物
  [9]山田醇設計の住宅の特徴
 4.9.興津の別荘のまとめ

5. 浜名湖・弁天島
 5.1.浜名湖・弁天島の位置付け
  [1]概要 [2]地勢と交通
 5.2.西野島浦の別荘
  [1]別荘地の成立期 [2]建築主たちと建物
 5.3.千鳥園,観月園,乙女園
  [1]別荘地開発のための埋立事業
 5.4.浜名湖・弁天島の別荘のまとめ

6. 民家の客間等の部分
 6.1.民家の客間等の部分の位置付け
  [1]概要 [2]地域的背景 [3]ツボノウチ
   6.2.飯田邸
  [1]所有者と社会的背景 [2]立地と建物
 6.3.山崎邸
  [1]所有者と社会的背景 [2]立地と建物
 6.4.平野邸
  [1]所有者と社会的背景 [2]立地と建物
 6.5.気賀〜平野邸
  [1]所有者と社会的背景 [2]立地と建物
 6.6.三橋邸
  [1]所有者と社会的背景 [2]立地と建物
 6.7.大鐘邸
  [1]所有者と社会的背景 [2]立地と建物
 6.8.民家の客間等の部分のまとめ

7. 景勝地の形成と建築主の価値観(まとめ)


。. 景勝地形成の諸相

8. 興津における前史
 8.1.土地を価値付ける出来事と意味
 8.2.古典的絵画の伝播
  [1]『富士三保清見寺図』 [2]名所図絵と浮世絵 [3]朝鮮通信使
 8.3.古典文学で語られる景勝地
  [1]和歌 [2]漢詩文と朝鮮通信使 [3]江戸文人の評価 [4]近代の文学
 8.4.興津における前史のまとめ

9. 浜名湖・弁天島における土地の変遷と景観的遺産の現況
  9.1.土地の開発と変遷
 9.2.景観的遺産の現況
 9.3.土地区画の変遷と景観的遺産
  [1]土地区画の変遷 [2]土地区画の変遷と景観的遺産の関係 [3]景観的遺産の存続性
 9.4.浜名湖・弁天島における土地の変遷と景観的遺産の現況のまとめ

10. 明治期の銅版画に基づく民家における景観の型
10.1.民家の佇まいと庭園
10.2.景観構成要素のダイアグラム
  [1]構成要素と作成の手順 [2]主屋,門,ツボノウチの位置関係
10.3.敷地の囲い方
  [1]囲いをつくる要素 [2]要素の組み合わせ
10.4.庭園(ツボノウチ)と座敷
10.5.民家における景観の型のまとめ

11. 景勝地形成の諸条件(。まとめ)
                     

「. 近代和風住宅における生活と景観

12. 建築主の交友と社会
 12.1.都市を離れる意義
  [1]情報の選択 [2]養生と隠棲 [3]複数の住宅所有
 12.2.建築主たちのネットワーク
  [1]客と主人 [2]興津の別荘間におけるつながり [3]興津井上邸での交流
  [4]西園寺公望の交流にみる趣味 [5]地方有力者のつながりと趣味
 12.3.建築主の交友と社会のまとめ

13. 建築主の求めた住まい
 13.1.近代和風の好み
  [1]普請道楽 [2]施主と職人 [3]移築と古材
 13.2.近代和風住宅の相貌
  [1]立地と景観 [2]建物の外観 [3]座敷からの風景
 13.3.建築主の求めた住まいのまとめ

14. 建築主の求めた風景
 14.1.山水画にみられる景観概念
  [1]文人画における「自娯」 [2]画中への参入 [3]隠れた人,隠れた家 [4]真景図 [5]現実への反映
 14.2.趣味の表現としての景観
  [1]「数寄」と「自娯」の空間 [2]意味の集積 [3]「斉家」の表現
 14.3.建築主の求めた風景のまとめ

15. 近代和風住宅における景観的特質(「まとめ)

結論. 「自娯」と「斉家」としての住宅と景観


参考文献
あとがき
                            


土屋研究室TOP
Copyright(C)
TSUCHIYA Kazuo
Tokoha Gakuen Junior College
Dept. of Art and Design